好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
私は「行きません」と、返した。



「午後も…働きますから…」



ゴホゴホと咳が止まらなくなり、私は席を離れた。

給湯室へと行き、咳止めの薬を飲む。



「はぁ…」



こんな調子で、別れ話なんて出来るだろうか。

2脚あるうちのパイプ椅子の1脚に座り、頭を抱えた。

ーーコンコンッ

壁を叩き、入って来た課長の手には私の鞄。



「早退。悪化して長く休まれたら困るしな」



「すいません…」



情けないばかりで、私は泣きそうになった。

何しに来たんだろう。

心配させるだけだった。
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