好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
悪魔のベイビー
歩斗と別れ、風邪を引いてから4日も過ぎた。
歩斗がお見舞いに来たけど、部屋に入れる事も、会う事もなかった。
母親と2人きりの日中も、退屈さが増した。
午後一に炬燵に入って、バニラアイスを食べてるだけで、些細な幸せを感じる私は、心が麻痺したかのようだ。
「お母さん、買い物に行くけど、ついでに病院に行かない?」
「んー…明日なら行く」
「…何でよ」
母親が不思議そうに私を見て来る。
でも、自分でもわからない位、今日は病院に行く気分じゃない。
あれから、課長は毎日、電話やメールをくれた。