好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「力、抜いて下さいね」



女医さんで、雰囲気も優しい感じて、ホッとしたけど、やっぱり怖い。



「見えるかな?これが胎盤です。
赤ちゃんを包んでる袋よ。
まぁ。詳しい話は座ってしましょうか」



少し倒されていた分娩台が起こされた。

着替えて、デスクの前に置かれた椅子に座ると、さっきエコーの画面で見た赤ちゃんの写真が渡された。



「もうすぐ妊娠4週目。気付かないのは当然。でも危険だから、しばらくは入院しましょう」



「え…赤ちゃん…」



「頑張って、生きてますよ」



…良かった。

嬉しかった。

涙がじわじわと溢れた。
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