好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
『もう大丈夫だぞ。何かあったか?』



「…私、しばらく入院する事になりました」



『“入院”っ!?急病なのか?』



「いえ…。歩斗には黙ってて欲しいんですが…妊娠してるんです…。けど、流産の危険性があるから、入院する事になって…」



ベッドに腰掛け、課長が口を開くのを待つ。



『わかった。言わない。
課のみんなには、“旅行”って言っとくから。元気になったら、笑顔で戻って来い!』



「課長…」



この人は、本当に優しい人だ。

歩斗とは違う優しさ。

課長の優しさにも、安定感、安らぎを感じる。
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