好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
悪魔の真実
入院生活が1ヶ月を過ぎた。
寂しくないと言えば嘘になる。
会いたい気持ちは今もある。
けど、赤ちゃんが居てくれて、私は強く居られてる。
母親に頼み、お兄ちゃんたちには、“子宮の調子が悪い”という事しか伝えてない。
歩斗に言われないようにする為。
別れた事は、言ってあるんだけれど。
「林檎は食べれるでしょ?」
「うどんが食べたい」
徐々に悪阻が出て来た。
酸味より、私はうどんが食べたい。
素うどんでも構わないから。
「そんな、いきなり言われてもないわよ」
…でしょうね。
当たり前の事を母親に言われ、ため息を吐き、起こしたベッドに背を預けた。