好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
食べ終えるや否や、私は嵯峨さんに千円を預けて課へと走り戻った。

…聞き出してやる!!



「先輩――ッ!!」



「騒がしい」



肩で息をしながら、財布を持って社員食堂にでも行こうとしてる武井さんの前に立ち憚る。



「葛西伊吹か葛西柊ーヒイラギー。
どっちかに、私の事を聞きましたねッ!?」



「伊吹も柊もアホだな。初日にバレたし」



武井さんは「つまんねぇ」と言って、私を退かそうとする。



「どこがつまんないんですか!」



私は彼の腕を掴んで、下から睨む。

効き目はないみたいだけど。
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