好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
コーヒー、紅茶、緑茶。

カフェインが多い飲み物も禁止で、麦茶や水ばかり飲んで、味気ない毎日。

料理も塩分が計算されてる為、濃い味が好きな私は物足りない。



「うどんが食べたい…」



「林檎を食べて」



母親は爪楊枝を刺した林檎が乗るお皿をテーブルに置くと、果物ナイフを洗いに行ってしまった。

林檎をかじりながら、癖で携帯を見てしまう。

歩斗から来ない連絡を、どこか待ってしまう自分が居るんだ。

安定期に入ったら、お兄ちゃんたちや、歩斗に報告しようって話したけど、歩斗に彼女が出来てたら言えないわけで。
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