好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「ども…」



久々に呼び出した歩斗が、疲れた様子でやって来た。

ヒゲは剃ってないし、髪の毛はセットされてないし、“野生化”してる。

じゃなくて、草臥れてる。



「歩斗君、久々!」



スポーツ馬鹿の柊は能天気なせいか、いつも通りだし、少しは気を使えっての。



「あっ君。ご飯、食べてってね」



「すいません…」



炬燵に入った歩斗は酒ではなく、お茶を要求した。

…本気でおかしい。

俺はズバッと、「何かあったか?」と、切り出した。



「お前の彼女の妹に、振り回されてんだよ。“来ないなら、その辺で男でも捕まえる!”とか、馬鹿な発言するし」



…あいつかよ;;
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