好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
結香の妹である紀香ーノリカーには、俺ですら手を焼かされる。

元カレに振られた原因は全て、“我が儘が過ぎる”ってとこ。



「付き合ってんのか?」



「わかんねぇ」



「…ヤったのか?」



「途中までは。でも、やっぱ俺は――…」



ーーパリーンッ

歩斗が話してる途中、皿が割れたような音がした。

キッチンの方を見ると、酒を用意する柊の横で、母親が泣きそうな顔をして、「驚かせてごめんね…」と、割れて飛び散る破片を集め出す。



「お母さーん?何か凄い音したんだけど。てか、今日はうどんある?」



そこに、また“うどん”と言いながら、ひまわりが現れた。
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