好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「突っ立てないで、手伝ったら」



俺や歩斗に気付いてないひまわりは、柊の腕を叩き、母親の片付けを手伝わせる。



「あ。うどんの前にいらないバットない?ネイルチップを並べるのに使いたいんだけど…上?」



「後で取るから取らないで良い!」



食器棚の上に手を伸ばそうとしたひまわりを、母親が止める。

しかも、剣幕だった。



「そうだ…ごめん」



ひまわりがやたら素直に受け入れると思ってたら、こちらを向いて、一瞬、固まった。



「ご無沙汰してます、先輩…」



でも、すぐに作り笑いを浮かべ、歩斗に頭を下げた。
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