好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
ーーガンッ

ついにキレたのか、母親が空になった鍋をシンクに投げた。



「どうしたんだよ;;」



苦笑しながら、俺は母親に問う。



「ひまわりは…ひまわりは1人で必死に頑張ってるのよっ!
私たちの前で一回も泣かないで、気持ちを隠して働いて…消えそうな命を、1人で守る事の辛さが、あんたたちにわかるの――ッ!!?」



…“消えそうな命”?

何だよ、ソレ。

固まる俺ら3人を余所に、母親は涙を流しながら鍋を洗ってる。

ひまわりは、1人で何を頑張ってるんだ。

何を隠してるんだ。

俺は歩斗に目配せをした。

聞き出せるのは、こいつしか居ないんだ。



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