好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
悪魔と恋
母親に“寝てなさい”と言われたけど、横になる気分でもない為、私は自分のスカルプに、3Dのハートを作っていた。
虹をイメージしてあって、カラフルなハートで彩ったら、可愛いかと思って。
残業してから帰って来た父親は、毎夜、編んでる赤ちゃん用の白の靴下と、お揃いだけどあげられない、歩斗のニット帽を見つめてる。
予定日は2月。
付き合ってたとしても、渡せないかも知れなかったモノ。
「次は、ミトンを作る予定日だから、お父さんにも手袋、作るね」
「ありがとな」
ちゃんと接着したか確認をしながら父親を見ると、ニコリと笑った。