好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
でも。



「ヒゲ…痛いっ…;;」



ムードを壊してしまうけど、頭にチクチクとヒゲが刺さるんだ。

ファイルの角より痛くはないんだけど、続くとなると我慢も限界。



「キスするタイミングなくした」



「他の人としようとしたから、しばらくダメ…」



私は課長に乗り移る事なかったのに。

歩斗はそんな簡単に、他の人を抱けるんだ。

やっぱり。

悪魔に“好き”なんてもったいない。

この先、言わないようにしよう。

“傍にいてあげてる”と言うような、上から目線が良いかも。



「お前との、忘れるかもよ?」



「…むぅ…」



悪魔め。

もう調子を取り戻しやがった!
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