好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「やっと、まともな過去が出たな?」



「“やっと”って何よ!!」



厭味を言う歩斗を睨み、拗ねると、頭を撫でられた。



「ひまらしいって、褒めてんだよ」



…どうだか。

割りしたの染み込んだ白菜やネギを取り、味見。

やっぱり、私の舌に狂いはなし!

枝玲奈にお肉をたくさん渡して、柊お兄ちゃんの口に、あまり入らないように嫌がらせ。



「兄貴を労れ!」



「…敬えだ、馬鹿」



歩斗はお得意の冷静な突っ込みを入れながら、私にお肉をプレゼントしてくれた。

お母さんは「焦らなくて大丈夫だから」と、お兄ちゃんの頭を叩きながら、大量のパックを持って来た。
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