好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
ニヤニヤとしながら、私は精肉コーナーに戻り、安くて小分けして冷凍が出来るモノを選んだ。

歩斗が居る時にまとめ買いしないと、荷物が大変だから。



「こんなもんか?」



「そうだね」



一袋5円で貰える袋に入る分だけを買い、家路に着く。

歩斗は自分のマフラーを私の首に巻き、一歩先を歩き出した。



「照れてるの?」



「照れてない」



「照れてるじゃん!」



私は歩斗の腕を引っ張った。

向かい合うようになり、私は辺りを見渡して背伸び。



「ありがとう――…」



そう言って、歩斗の唇に、そっとキスをした。




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