好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「馬鹿ね。この子は…」



お母さんは泣きそうになりながら、私の背中を擦る。

私まで泣きそうになってると、病室のドアが開いた。



「遅くなりました」



両親に頭を下げながら、入って来たのは歩斗。

歩斗は私に近付いて来ると、お母さんに代わって背中を撫でてくれる。



「泣いた?」



「ううん。」



「嘘、吐くなよ。俺に会いたくて泣いたんだろ?」



「……;;」



この自信家、直らないものか。

まぁ、そんな歩斗も大好きで。

この先、おじさんになって行く歩斗を見て行きたい。
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