好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「よりによって…同じ誕生日…」



子供は悪くなくても、心底、腹が立つ。

同じ病院なんて、当て付けとしか思えない。



「今は何も考えるな。ひまの体に、負担が掛かるから」



歩斗がタオルで汗を脱ぐってくれる。

私は素直に頷き、助産師さんに従いう。



「もう頭が見えてますよ。分娩室に来てからは早いわね」



陣痛が始まってから、4・5時間。

生理痛のような痛みから換算すると、どれ位だろう。



「んー…っ!;;」



歩斗の手が大きく、人差し指と中指だけを握り直し、力を込める。



「…痛い」



「奥さんは、もっともっと痛いのよ」



…ナイスです;;

助産師さん。
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