好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「ぐあ゛っ!!」



「……;;」



奇声をあげ続ける私に、歩斗が軽く引いてる。

悪気はないのに、歩斗に“後で謝らないと”と、思う。



「頭が出て来たわよー。もう少し、頑張りましょう!」



…“もう少し”って、後どれ位?

疑問を訊くのもシンドイ。

力を抜いた一瞬、激痛に体が跳び跳ねそうになると、「出た――っ!!」と、聞こえた。

沸き起こる拍手の中、呆然としてると、歩斗が泣いてる事に、気が付いた。



「はい…ママよ」



タオルにくるまれた我が子が、私の胸に乗せられた。

抱き締めると、いきなり胸を探すような仕草を見せる。
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