好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「サラダ食べよっか」



嵯峨さんがメニューを見せて来た。

互いに写真付きの大根サラダを気に入り、注文すると、店員さんが「いらっしゃいませー!」と、電子パッドで入力しながら叫んだ。

正面の座席に入るお客さんだろうか。

3人の男が、こちらに背を向けて靴を脱ぐ。

…アレ;;

それにしても、2人は見覚えのある背中だ。



「葛西伊吹さーん、柊さーん」



わざとらしくフルネームで呼ぶと、嫌そうに振り返るお兄ちゃん。



「さては一香ーイチカーか!!じゃなかったな…;;」



柊お兄ちゃんに至っては、元カノの名前を呼んだ。

…声、似てないし!
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