好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
悪魔と初体験
「いった……」
頭痛に目が覚めた。
月明かりを頼りに、真っ暗な部屋を見渡せば、見慣れない部屋。
スーツのまま寝ていたらしい。
「どこ…?」
嗅いだ事のある匂い。
隣に気配を感じ、顔を動かす。
…嘘…!!;;
声にならない驚き。
何故、武井さんがッ!?
「…はぁ…イケメン」
って、何を言ってるんだか。
けど、寝顔は悪魔より天使だ。
似合わないけど。
まだ酔いが覚めてないのだろうか。
手を伸ばして、武井さんの頬に触れてしまった。
ツルツルとして、手に馴染む。