好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
悪魔の超モテ期
一度、自宅に戻り、着替えてから出勤すると、何やら騒がしい。
課の前に、女性社員が集ってて、前に進めない。
…何で?
私は仕事会社のアナウンスとチャイムが掛かるまで、廊下で待つ事にした。
「嵯峨さんと別れたって本当なのー?」
「間違いないよー。ちゃんと、この耳で聞いたんだから!」
“嵯峨さんと別れた”?
…もしや、この人だかりは歩斗が好きな人?
私は「退いて下さい!」と叫び、道を開けさせた。
「何あの子」などと陰口が聞こえるけど、気にしてられない。
気になるのは、この人が居る理由。
確証を得たいんだ。