好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
最新の50型のテレビでバラエティー番組を見ながら、父親と伊吹お兄ちゃんはまだかと、隣に居る馬鹿な柊お兄ちゃんに聞いた。



「今日も20時じゃねぇの?」



「まぁ、そんな気もする」



父親は理容師として、お兄ちゃんの店で顔剃りの専門で働いてる。

年配のお客さんの要望によっては、切るらしい。

でも、いつの間に独立したんだろうか。

いつまでも下っ端ではないって事なんだろうか。



「あっ君、泊まる?拗ねて飛び出したひまわりを追っ掛けて来て、疲れたでしょ?」



「疲れてはないけど」



…おいっ!

“拗ねて飛び出した”って部分を否定してくれ!

絶対、隣のヤツが勝手にデマを吹き込んだ。
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