好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
ーードカッ



「――った!;;」



炬燵の中で伸びる柊お兄ちゃんの足を蹴飛ばした。

ソファーに凭れ、テーブルの上にあるバナナを食べる。



「そんな風に、もしかして歩斗君の――…」



「お母さーん?お兄ちゃんが下ネタを言おうとしたー」



「あんた…自分はヤってたのに、柊だけを叩けって、図々しいわよ!」



「言うなぁぁ!!」



我が家では、中町の一件で、下ネタは禁止。

母親からのビンタがお見舞いされる約束だ。

なのに、母親が一番、言ってる。

この数分で2回目を言った為、堪えられず、叫びながら立ち上がった。
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