好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
悪魔と兄たち
「チビ。嵯峨とでもランチでもして来い」
「“嵯峨とでも”って何よ!
それは聞き捨てならないわよ!」
ファイルを読んだり、コピーさせられたり、服従されてた私にやっと朗報が来たと思えば、また命令。
しかし、巻き込まれた嵯峨さんは怒ってしまった。
「先輩…良いんですか?」
私は知らん顔してる武井さんのジャケットの袖を掴みながら訊く。
「いつもだから」
「そうですか」
でも、心配はなさそうだ。
私は立ち上がり、嵯峨さんに「ランチ、同席して下さい」と頼んだ。
他に誘える人は居ないし。