好きと言えない。―悪魔と恋―【完】



「――はっ!!」



自分の「ふんがっ!」という、大きなイビキで起きた。

狭いベッドで、並んで寝てる歩斗には、聞こえてないみたいで安心。

でも。

…いつの間に寝たんだろう。

結香さんの話を聞いたまでは、記憶にあるけど。

またモヤモヤ、イライラして来る。

私は歩斗に引っ付いた。

起きろ。

気付け。

そんな気持ちを込めながら、強く抱き着く。



「ん゛ー……」



寝苦しさに起きた歩斗の目が、超至近距離に居る私を捉えた。



「前と同じだな」



「前より激しくして…」



お酒って、怖い。

すらすらと言えちゃう。
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