あい*こい




あぁ、どうしよう…。
こんなに泣いたら礼生くんに呆れられちゃう…。


「…ぐす…、…ごめんねっ…」


もう一度涙を袖口で拭こうとしたら。


「だめ」

「……え?」


左隣の礼生くんに、腕を掴まれてしまった。


「痛くなる」


そう言って、礼生くんの大きな手で頬を包んで、親指で涙を払ってくれる。

あまりにも優しく触れるから、勘違いしちゃいそう…。

というか何よりも、驚きすぎちゃって…。



「あ、止まった」


そりゃ、涙も止まるよ!
こんだけかっこいい人の顔が近くにあったら。




< 49 / 85 >

この作品をシェア

pagetop