あい*こい
あぁ、どうしよう…。
こんなに泣いたら礼生くんに呆れられちゃう…。
「…ぐす…、…ごめんねっ…」
もう一度涙を袖口で拭こうとしたら。
「だめ」
「……え?」
左隣の礼生くんに、腕を掴まれてしまった。
「痛くなる」
そう言って、礼生くんの大きな手で頬を包んで、親指で涙を払ってくれる。
あまりにも優しく触れるから、勘違いしちゃいそう…。
というか何よりも、驚きすぎちゃって…。
「あ、止まった」
そりゃ、涙も止まるよ!
こんだけかっこいい人の顔が近くにあったら。