あい*こい
でも、だからといって優しくなんか俺にはできない。
所詮、この子も女なワケだし。大嫌いな女なワケだし。
「あんた、誰?」
見られた恥ずかしさからか、俺の声はいつもより低かった。
その声に女の子の肩はビクッと震え、目には涙がかすかに溜まった。
「あっ、ごめんなさい」
今のは、俺の八つ当たりだったから謝る必要なんかないのに。
「…立花 日和です。高校生です」
「知ってます」
見た目はともかく、制服はこの学校のだし、見れば分かるっつの。
「…あっ…あと、えっと…
2年A組です」
「へぇー。じゃあ。」
同じクラスだったんだな、なんて思いながら、俺はその子に背を向けた。