あい*こい
突然、机に伏していた俺の隣の席の椅子が、少し音をたてた。
もしかしてと思って慌てて顔を上げて、落胆する。
「なによ、でか物冷血男。
あからさまにがっかりしないでくださらない?」
確か、日和の親友、らしいやつ。
名前は、…覚えていない。
「もう放課後なんだけど、あんた、帰らないの?」
1日中、こいつから睨まれているのは感じていた。
なんでこいつに、と考えれば簡単で。
きっと、いや、間違いなく、日和のことだ。
空は、昨日のような夕焼け。
昨日はもっと、綺麗だったのに。