青春途上中〈3〉
スイッチ
自制が利かない。

いつスイッチが切り替わってるのか自分でもわからない。

最後の拳を振りかざそうとした時に誰かの手で止められた。

その手を辿っていくと、ジッと目線を外す事なく何を言うでもなく、ただ私を見ている。

「…しの…はら?」

胸元を掴んでいる知らない男は血まみれになって呼吸もままならない。

震える手から滑り落ちていく。

「また…やったの?」

「みたいだな」






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