青春途上中〈3〉
「おい、あいつは?」

廊下の向こうから歩いて来た篠原達の中に松橋の姿が見えない。

「知らなーい。
知っててもバカ犬に教えるつもりなんかないね」

「あ?」

祥太は、すぐさまに「シノー!」と抱き着いて伊崎の存在を消していた。

「おい、腹黒!
意味わからねぇ事言ってんじゃねぇぞ」

いつも以上に質の悪い言い方に伊崎は苛つかせた。





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