青春途上中〈3〉
「…伊崎って見ての通りカッコいいだろ?」

ぽつりぽつりと松橋は話し出した。

「…は?う、うん。そうだね」

確かに顔は整っている。
もっぱら女には困った事がないと噂では聞いたことがある。

「たまに殴られるけど本当は、優しいんだ」

「いや…それって…」

みなが頭で浮かんだ言葉を忍が口にしようとするのを篠原は塞いだ。

「優しいの?殴られるのに?」




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