あたしは今日も生きている
「…なんだ、犬か。」
足元を見ると、とてもちっちゃい犬があたしの左足にぴったりくっついていた。
「アンタも一人?
…でもさ、トイプードルが野良犬って…もったいなくない?」
なんて、その茶色のフワフワに一人で話しかけてるあたしって…
まぁ、いいか。
「…って、首輪あんじゃん」
トイプードルを触っているうちに見つけた、違和感。
毛で覆われて見えなかった。
「…だよね。
アンタみたいな可愛いやつ、捨てられるわけないじゃんね…」
“人のもの”
と分かって、少し悲しくなるあたし。
「馬鹿だなぁ、あたし。」