特務警察
背伸びして順位表を確認した葵は、首を傾げた。



「なーんだ。順位変わってないじゃない。

二位おめでとう!すごいね!」



おいおい、葵さん。


今確実に、私のガラスの心にヒビが入ったよ?



しかし、葵に全く悪気がないのはこの二ヶ月半で学習しているので、



「…ありがと」と苦笑いで答えた。



「もうっ!もう少し喜んだら?

実技含めて女で二位って、相当凄いことなのよ?」



「そうだよ。

射撃なんて、全弾命中だったしね」




…気のせいだろうか。

…気のせいであってほしい。



背後から、今一番会いたくない奴――城乃内千里の声がしたような…。



「あ、城乃内くん!一位おめでとう」



「ありがとう」



…残念ながら、気のせいではなかったらしい。



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