ナツの夏
「今日はゆっくり休んで、明日から店番頼むわね!」
「え、いや、今日からやりますよ」
「アハハ!いいのよ、今日はもうお客さん来ないから」
先生のお母さんがまた笑った。よく笑う人だ。
こういう人に育てられたら、石井ちゃん先生みたいな大人になるんだろうなと思った。
「ナツー、二階片付けたから上がっておいでー」
先生が私を呼んだ。
私が寝泊まりするのは先生が使っていた部屋だと言われていたから、どんな汚い部屋だろうと恐る恐る二階に上がった。