ナツの夏



でも、私は決して悲観に暮れたりはしない。


だって、世界には両親がいないこどもなんてゴマンといる。


私よりもっと悲惨な別れ方をしたこどもだっているはずだ。




そう。


私は解っているんだ。


現実を。


運命を。


自分自身を。


だから逃げない。


孤独から逃げたりしない。


そうやって生きてきたし、これからもそれは変わらないと信じていた。


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