ナツの夏



「まあ、そんなこんなだからさ、週末は親子3人で顔合わせに出掛けますので、店番宜しくね!」


「えっ、そんなに話進んでるんですか?」


「いや…まあ、ナツが来てくれたし、このタイミングが丁度いいかなと思って」




先生は言い訳するみたいに呟くように言った。


やっぱり、先生らしくない。




「自分ならすぐに彼氏作れるって、前言っていたじゃないですか。無理にお見合いなんかする必要ないのに…」


「無理にじゃない。色々あるんだよ、こっちも」




そんな言い方されたら、私は何も言えない。


大人の事情を振りかざされたら、何も。


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