ナツの夏
私はその夜、皐月のことを考えていた。
楽しそうに話す姿、優しい目で聞く姿、無邪気な笑顔。
全部、石井ちゃん先生に向けられていた。
家族を見る目とは違う。
こういうカンは結構鋭いのだ。
でも、彼は石井ちゃん先生のお見合い話をしっているのだろうか…
私には関係の無いことだと思いながらも、皐月のことが頭を離れなかった。
眠れない。
こんなに静かで、澄んだ闇にくるまれた夜なのに。
眠れないよ。
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