ナツの夏
「おいお前ら〜!夏休みだからって羽目はずすんじゃないわよ〜!」
「石井ちゃんは羽目はずして彼氏作れよ〜ギャハハハ」
「うるっさい!」
今日は一学期最後の日。
担任の石井ちゃん先生が、窓から男子生徒に叫んでいた。
「ったく…私を誰だと思ってるんだ!彼氏くらいすぐに作れるわ」
「…先生、さようなら」
「おう、ナツ!あんた、夏休み何か予定あるの?」
「はい?」
「夏休み!旅行とか何か、予定あるのかって」
旅行?出来るわけない。
生活費を稼ぐのに精一杯だ。
そんなこと、石井ちゃん先生だって知っているだろうに。