ナツの夏
「バイトしかありませんよ、私には。でも心配しないでください。私は夏っていうだけで十分楽しめますから」
「アハハ!ナツってだけにな!」
彼氏なんて出来るんだろうか。この何の色気もない女性に。
私はため息をついて、教室を出ようとした。
「ナツ!今年の夏は私の実家に来ない?」
「え?」
石井ちゃん先生、それは結婚を狙った女子のセリフだろう。
何で私に使うかな。
私は思わず笑ってしまった。
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