ナツの夏
そうこうしている間に、車は小高い丘に着いた。
ライトをおとすと、あたりは真っ暗闇だ。
「足下気を付けてね、なっちゃん」
暗闇に目を馴らしてから、私たちは外に出た。
草を踏みしめると、懐かしいような青臭さが鼻を掠めた。
「…すごい…」
星が降り注ぐように私たちを包み込む。
一つ一つがくっきりと輝き、瞬いている。
「感動した?」
「は、はい!」
クラクラするほどの星空に、私は少し興奮していたのかもしれない。