ナツの夏
4 ナツと私
石井ちゃん先生のお見合い話は着々と進められていた。
私はただ、日々の仕事をこなしながら、それを見ているだけだった。
「なっちゃん、悪いけど店番宜しくね…」
石井ちゃん先生のお母さんが、すまなそうに言った。
先生が宣言した通り、週末には家族でお見合い相手と対面するのだ。
先生はそわそわしながら、でも満足そうに衣装合わせをしていた。
「ナツ!どお?」
ふわりとした女らしいスカートが意外にもよく似合っている。