ナツの夏
「馬子にもナントカ…ですね」
「アハハ!なっちゃんナイス」
ひねくれた私のコメントに、先生のお母さんは大笑いし、先生は口を尖らせた。
これでいいんだ。
先生と先生の家族が笑っていれば、それで…
「先生…頑張ってくださいね。幸せを掴めるように…」
「なんだよ、ナツ。気持ち悪いなぁ」
ヘラヘラと笑う先生から目を逸らす。
そして、ギュッと拳を固くした。
「でもね…もし、嫌だと思ったらすぐに帰ってきてください」
先生はポカンと口を開けて私を見つめた。