ナツの夏
お見合い、とは言わない方がいいのだろう。
そう思ったのだが、おばあさんが予想外のことを言ってきた。
「あー!今日は瑠璃ちゃんのお見合いだっけねぇ。忘れてたわ」
ここの人たちは、やっぱり距離感が私の感覚と違う。
他人事っていうことが無いというか…
「瑠璃ちゃんも色々あったから、幸せになってほしいねぇ」
おばあさんは醤油を持った手を腰に回し、もう一方の手で杖をつきながら帰っていった。
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