ナツの夏
「どお?食べられる?」
「ふごく美味ひいでふ」
アツアツのおにぎりを口いっぱいに頬張ってしまった。
皐月が笑う。
「なっちゃんって食べっぷりが良くて好きだなぁ」
「えっ」
好き、という言葉に思わず変な声が出た。自分でも驚くほどの過剰反応。
「…ふ、普段はこんなに食べませんよ…」
顔が熱い。
皐月はまた笑った。
「…でも、本当に、こっちの食べ物は生き生きしていて…体がそれを欲するってゆうか、食べたいって心から思うんです」