隣のハルキさん

どれくらい時間が経っただろうか…
男の人が口を開いた。


『そろそろ帰ろうか?』


『あっ…はい!』


2人は同時に椅子から立ち上がり、公園の出口に向かって歩き出した。


(なんだか寂しいな…)


一緒にいたのは少しの時間だったが、優子は男の人と別れるのを名残惜しく思った。


『お家まで送るよ。』


(…!?)


そんな優子の気持ち良いを読みとったかのように男の人が言う。


『そんな!悪いです!家近くだし、朝だし、1人で大丈夫です!』


慌てる優子を見て、男の人はクスっと笑う。


『遠慮しないで。ほら、行くよ?』


そう言うと優子のマンションの方へと歩き出した。

< 13 / 22 >

この作品をシェア

pagetop