隣のハルキさん

(…!?)


いきなり聞こえた声に、優子はびっくりして目を開ける。
公園の入り口で男の人が優子の方を見ながら突っ立っていた。
ジーパンTシャツのラフな格好。
手にはコンビニの袋をぶら下げている。


『あっ…えっと…』


優子が言葉に詰まっていると


『驚かせてゴメンね。誰もいないと思って立ち寄ったら、人がいたからびっくりしちゃって。』


丁寧に謝り一礼すると、ニコッと微笑む。


『あっ…いえっ…こちらこそ、びっくりさせちゃってごめんなさい…』


慌てて優子も頭を下げる。


『隣、座ってもいいかな?』


『どっ…どうぞ!』


優子は返事をすると同時にベンチの隅へ移動し、1人分の席を空ける。

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