ブルースカイ
リビングの窓の外、



改めて、本宅を見てみると



その雄大さに圧倒される。




家というよりは建築物って感じの重々しい感じがした。




「私には不釣り合いなお家だよ。」



「・・俺も本宅には、あんまり行ったことがないんだ。」



「そうなんだ・・なんか家族水入らずで団欒ってのがなさそう。」



「あぁ。じいちゃんも、美香さんも忙しいしな。めったに顔を合わさないよ。」



「お金持ちもそれなりに問題あるんだね。。」



「親父が愛人つくるまではそれなりに、まとまってたんだけどな。」



本宅を鋭く見つめたまま、翼が言った。





「・・・」



「でもこれからは、お前が俺の家族だから。家の人にも徐々に説明してくよ。」



「・・学生結婚て聞いたことあるけど、高校生との結婚って許されるの?」



「じいちゃんはどうしても跡継ぎが欲しいみたいだから・・きっと反対はしないよ。」




そう言った目は、悲しさを宿したように、濃く、暗く、光っている―。




翼にはいつも、どこかにふっと焦りがあって・・



特にHではそう感じることがあったけど・・




跡継ぎ問題―――




それに関係してるのかな・・

< 190 / 276 >

この作品をシェア

pagetop