ブルースカイ
「その時、手当てした、お母さんに、あなた、なついてしまってね・・お母さんって、あなたのおばあちゃんの事なんだけど。。。帰りたくないって、ずっと、だだこねて、泣いていたのよ。」





懐かしそうに私の目の上の傷をみつめながら、美香さんは言った。




翼のおばあちゃんは



私のおばあちゃん??




初めて病室に行ったときに呼んでくれた私の名前―・・



あの時感じた、どこかで、会った事があるのかも。。って。



今全てが一つの線でつながったよ・・






「まあ、二人とも、そこに座りましょうよ。」





魂が抜けたように突っ立ている、私たちを美香さんは、促して、

暖炉の前の白い皮のソファーへと座らせた。






「もう、察してると思うけど、ユリさんは、兄の愛人だったの。。。
翼、あなたは辛いだろうケド、美緒には、何の罪もないから・・」





翼は、私から少し距離をあけて、隣に座った。


その深い澄んだ瞳は今では私を写さないように違う方を向いている。





「それから、美緒、あなたのお父さんの名前はひろと。沢山弘人よ。優秀な医師だった。あなたは母親の姓を名乗ったのね。」



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