ブルースカイ
それ以上に大切なものを


この時私は、失おうとしてたんだ。。





「ずっとココに住みなさい美緒。遠慮せずに・・ココはあなたの家なんだから。」




背の高い美香さんは目線を私に合わせるまでしゃがんでくれた。


その真剣で強い瞳は、私を信じていいと言ってくれてる・・




その様子を、隣で他人事みたいに見てる翼がいる事に


美香さんは気付いてないようだった。






「さっ、今日の夕食は家族揃って頂けるわね。仕事をなんとか早く、終わらせるようにするから・・今、本宅の夏子さん達に言ってくるわ!」




「あっ、あの、美香さん!」




急に翼が立ち上がった





「俺、もお、帰らないといけないから。」




「えっ!?まだ大丈夫でしょう?帰りは金村さんに送らせるわよ」




「いえ・・早めに帰るように言われてきたんです。」



「・・そうなの・・せっかく、妹と一緒の夕食なのに・・残念ね。」




「・・・」





翼はバタバタわざと忙しそうに二階へ上がっていって、すぐに、


鞄を持って降りてきた。







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