ブルースカイ
「違うよ・・」


伏目がちに言った翼・・



「お前を見ると、また、抱きしめたくなる。。。」



強い雨に打たれたその表情はどこか・・混乱しているみたいだった。



「私もだよ。」




「・・・美緒もう、やめよう。
俺達は兄妹なんだから・・恋愛感情は許されないんだ。」



やめようって・・どういう意味?


強い雨に打たれながら、翼の声がだんだん激しくなる。




「神様に背いてるんだよ。俺達のしたことは・・」




そんなのイイ・・・私は翼がそばに居ればなんでもいいんだ。

私は・・また、泣いていた。

翼のそばでこんなに不安な気持ちになったのは初めてだ。

翼は、そんな私気持ちに追い討ちをかける――




「・・別れよう。美緒」






えっ・・!?



今なんて・・






あなたの口から聞くわけがナイと思っていた言葉が

私の頭の中で空しく、淋しく、鳴り響く―・・




「別れなきゃなんないんだよ。俺達は。」



なぜか少し微笑んで、最後の言葉を諭すように言った翼。



何も言葉を返せない私の前で


雨音だけが激しい音をたてていた・・・











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